《MUMEI》

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知り合ってすぐ美帆がウソつきだってわかりました。だってこんなウソをいつも並べ立てるんですよ。ずっと傍にいればどんなに鈍感でも気づきますって。

でも、美帆のことをイヤだと思わなかった。確かに彼女を「虚言癖がある」って陰口叩いてたヤツもいたけど、俺はそんなふうには一度も思いませんでした。ウソつきだけど、本心は違うんだって俺にはちゃんとわかってたから、変に不安になることもなかったですしね。美帆のこと信用してましたから。

付き合うようになってからも、相変わらず彼女はウソをつきました。「前カレはサッカー選手だった」とか、「最初にエッチしたのは中学2年で担任の先生だった」だとか、これまた他愛ないことばかりで、笑って聞き流しましたけど。

でもホントはあいつ、今まで俺以外に誰とも付き合ったことなかったんですよ。だって、俺と初めてホテルに行ったとき、すんごい緊張してて。部屋に入っても明らかに「どうしたらいいのかわからない」って顔してて。実際、ヤり始めたらめちゃくちゃ痛がって泣いちゃうし。変だなって思って問い質したら、「ホントはバージンだった」って…。

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