《MUMEI》

.

「何でそんなウソついたの?」って聞いたら、何て答えたと思います?「この歳で経験ないって言ったら嫌われちゃうと思った」って言ったんですよ。そんなわけないのに。俺、美帆のことホントに好きだったんですよ。だからホテルに誘ったんだし。そう言ったら、美帆また泣いちゃって。「ごめんね」って。「もうウソつかない」って泣いたんです。小さくなった美帆が、ホントに可愛くて朝までずっと、抱きしめ合ってました。あの日は美帆と出会ってから一番幸せだったと思います。

「もうウソつかない」って言ってくれましたけど、その後も美帆はウソをついてましたね。付き合って4年ですけど、何も変わりませんでした。就職して社会に出たら変わるのかなって思ったりもしましたけど、結局、美帆は美帆のまま。出会った頃と変わらず、ウソつきのままでした。

美帆はもう、ウソをつくことが習慣みたいになってたんだと思います。ひとつウソをつくとそれを補うためにまた別のウソをつく。口を開けば出てくるのは長い長いウソの連鎖だけ。

.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫