《MUMEI》

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でも美帆の場合、全部が全部ウソなわけじゃないからややこしいんです。ウソだけど本当、本当だけどウソ。今考えると美帆が話した言葉の何が本当で、何がウソなのか、ちょっとわからないんですよね。本当のことを言っていた気もするし、ウソをついていた気もする…それぐらい曖昧で微妙なラインで美帆はいつも何かを俺に話していた気がします。

え?あぁ、すみません。話が逸れちゃいましたね。美帆とはたくさんの思い出があるので、つい関係のないことまで話したくなっちゃうんですよ。
ええと、どこまで話しましたっけ…そうそう、そうでしたね。『あの日』のことですよね。

『あの日』は、ホントに普通の日でした。いつものように俺のアパートへ仕事帰りの美帆が遊びに来て、一緒にメシ食った後テレビ見て二人で笑ってたんです。本当にいつもと変わらない一日でした。

見てたのはお笑い番組かなんかで、若手芸人がホントにくだらないことやってて、「こいつらバカだなー」って笑ってたら、美帆がいきなり言ったんですよ。「別れたい」って。珍しく真剣な顔して。

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