《MUMEI》 少女月明かりだけが辺りを照らす夜。薄暗い廃ビルの一角に悪魔と少女がいた。 少女、というには背中と腰に不似合いなものを携えている。二丁の銃を納めた西部劇に出てくるガンベルトを巻き、切れ味の悪そうな鉈よりも肉厚な長剣。 唯一少女らしさが見れるのは額の上のゴーグルと楽しそうな笑顔だけ。 これらは目の前の悪魔を討伐するために用意されたものだ。 「ヴィラン・カーク。なかなか面白い悪魔じゃない。人の格好して金儲けするなんて、一口上手いやり方を教えてもらいたいものね」 「残念だが私のやり方は少々残酷でな。死ぬほど苦痛を味わいながら血を流すことになるぞ娘」 「そう、じゃ私には無理だ」 銃を抜き出し銃口を向ける。 「スプラッタとか痛々しいの、あんまし好きじゃないのよね」 涼しい顔のまま、少女の両手のマシンガンが火を吹いた。 前へ |
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