《MUMEI》 善彦は、相手の行動を自由に制御し、場合によってはその相手が通常出来ない様な潜在能力を引き出すことが出来る。 以前、ノルフェスに遭遇した時も、山男にばかり対応してもらい、自分は後ろで見守っていたような状態だった。 山男の運動能力は何度も限界超させて、重い物を持ち上げさせたり高くジャンプさせたり、今回の様に飛び降りさせたりしてきたが、逆に、自分にその魔法を掛けることが出来ないのだ。 また、相手に攻撃を与えたり、防御したり。 そう言った直接的な魔法を持ち合わせていないので、どうしても対ノルフェスへ魔法を使う事に頭が回らなかった。 まして、無関係で、魔法の存在を知らせていない田中に魔法をかけるなんてことも考えもしなかった。 しかし、相手にどうして欲しいのか、思いついたら、この能力は負けを知らない。 「いいかげん、ほどけ!」 途端に、善彦の腕は解放され、ようやく動きが自由になる。 ―コレハ…! ハラショウが微かに焦りをにじませたのを感じ取った善彦はニヤリと口許をあげる。 「もういっちょ!!姿を見せろ!」 ―叶ワヌ…叶ワヌ… 「…??」 前へ |
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