《MUMEI》

嵐のように七生軍団に振り回されて遊び尽くした。休憩時間も終わりに差し掛かって各自持ち場に戻る。

水瀬は放送室まで俺を送ってくれる。ついに二人きり……!

「楽しいね、木下くん」
水瀬にあんなふうに笑われちゃ不満も出せやしない。

「うん、しかし七生のやつ、はしゃいでたなあ。」


「元気になって良かったね。私、内館くんが別れた日会ったのに全然気付いてあげれなかった。」


「いや、俺達腐れ縁だしね。そういうの空気?で分かっちゃうんだよ、それにアイツ図太いから気にする事ないって。勝手に立ち直ってるからさ。」
暫く七生のことがずっと話題に出ていたっけ。俺だって水瀬に心配されてぇよ。



「そういうのっていいなぁ……」
お面を頭に被っているせいか、水瀬の顔が暗くなった………


気がした。


「あ、飴食べる?」
さっき縁日で当たった飴がポケットに入っていたはずだ。確か左の方に……


「また飴〜?」
と言いつつ手を広げて貰う気満々だ。

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