《MUMEI》
七生は二番手というなんとも微妙な順番だ。
「内館くん頑張って」
先輩達が次々七生に激励の言葉を送る中で俺は一人ガンを飛ばすことしかできなかった。
七生が読む順にすぐなった。正面で顔見たのは今日が初めてだ。
朗読の課題の本を開いた。
あいつ緊張している。こんな人に見られて朗読なんて簡単に出来るものじゃないからな。
でも七生の声がしっかり奥まで通っているのが解る。なんだかんだ言って練習してたんだ。
優勝目指せる、俺の目に狂いはなかった。
七生が一瞬俺を見た気がする。間の取り方も変だったような……
気のせいかな。
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫