《MUMEI》
41頁
.




「…で、」





中年の男が言う。



「君達は…何をしに来たんだ?」






「何ってもちろ…わ!!」



一人が声の方に顔を向けて初めて、
その男の存在に気付いた


「知らせも無く他人の家に突然に入ってきて…」



「家?」



四人は辺りを見渡す



しかし


「家…には見えないです」





辺りにあるのは、10m四方ほどの壁と、高い天井と。



床には、藁が敷き詰められているだけ。




「そりゃそうだ。この部屋には結界の魔方陣を描いてあるからな」





………



「知ってるだろう?魔物から逃げる時は、他人の家でも表にあるベルを鳴らせば駆け込んで良いことになってる。」




「マモノ?ベル?」







「…お前ら何だ、口が開きっ放しだぞ〜。お〜い」





-----------------------------------





四人と中年の男は机を囲んでいる。

机には紅茶と、茶受け







「んめ」

クッキーを囓って一人が呟いた


それを横目でチラリと見ながら

他の一人が男に頭を下げる



「すみません…僕たち、何も知らなくて…」



「いや、知る良い機会になったじゃないか。」





男はニッと笑った


---------------------------------

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫