《MUMEI》
3
緊張する栞里の背中を触りながら、刃山は言った。
「栞里さん。リラックスして」
「はい」
「絶対変なことするから」
「はい…え?」栞里は振り向く。
「嘘嘘。絶対変なことしないから。約束します」
「もちろん信用してますよ」
刃山の笑顔が危ない。しかし栞里はうつ伏せだから彼女には見られていない。
「あっ…」
内股をマッサージされる。栞里は唇を強く結んだ。刃山は栞里の両足を掴むと、グイッと広げた。
上品な栞里の脚を開かせて、両手で内股をマッサージする。栞里はお尻を少し動かした。
「結構刺激強いんですね」
「こんなのまだ序二段だよ」
笑えない。
内股のマッサージが入念だ。刃山の指が何度かお尻に当たる。わざとだろうか。
不覚にも息づかいが荒くなった栞里は、振り向いて手を出した。
「すいません、そこはちょっと、やめてください」
「そこって?」刃山が真顔で聞く。
「気になってインタビューができません」
「嘘、内股ダメ?」
「ダメです」
睨む栞里。インタビュー打ち切りは避けたい刃山は、笑顔で言った。
「わかりました。じゃあ、仰向けになってください」
「はい」
仰向けはもっと緊張する。栞里はセクシーな身のこなしで仰向けに寝た。
刃山は彼女のビキニの上に乗る。栞里は慌てた。
「え、そこに乗るんですか?」
「いつもそうですよ」
「嘘、だって全裸なんでしょう?」栞里が目を丸くして質問する。
「僕は全裸じゃないから大丈夫でしょう。ハハハ。僕が全裸で女性客も全裸でこの体勢はヤバイけどね。ハハハ」
全く笑いごとではない。栞里は両手を合わせた。
「すいません刃山さん。あたしは抵抗あります。もう少し下がることは無理ですか?」
水着姿で哀願する栞里。刃山はエキサイトしてしまった。
(ヤバイ!)
エキサイトした状態で栞里のビキニの上に乗ったらさすがに犯罪である。
刃山は誤魔化すようにベッドを下りた。
「いやあ、しかし栞里さん。本当にいい体してますね」
「面と向かって言われると恥ずかしいですよ」
恥ずかしいというより恐怖を感じた。
「セクシーでかわいいし、魅惑的。まあ、僕に誉められても嬉しくないでしょうけど」
心を読まれたか。栞里は焦った。
「もちろん嬉しいですよ」
「顔に出てますよ。カッコイケメンに限るって。ハハハ」
「あたしはそんな女じゃありませんよ!」栞里はムッとした。
「怒った顔もかわゆい」
刃山は、ベッドの横から栞里のおなかをマッサージした。
「くすぐったい」
「ダメ手出しちゃ」
刃山は栞里の両手首を掴むと、枕もとにバンザイの形で押しつけた。
「今度手出したら両手両足縛りますよ」
「そんなことさせません」栞里は怖い顔で睨んだ。
刃山はおなかと内股を同時にマッサージする。内股はダメと言ったはずだが。
「そこはやめていただけませんか」
「おへそもダメ?」
「違います」
何度もムッとする栞里に刃山もムッとした。
「君ねえ。何を守ってんの?」
「はあ!」
「別にここマッサージしたんじゃないんだからさあ」と栞里の秘部をマッサージ!
「あああ、あああ!」
栞里は真っ赤な顔で顔面キック!
「どこ触ってんだバカ!」
「だあああ!」

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