《MUMEI》
もうひとつの夕陽
 今ゆっくりと
 陽が沈んでいく

 鼓動は柔らかく
 視界は鮮やかに

 今ゆっくりと
 陽が沈んでいく

 愛しい君よ
 今、どこだろう

 いつもと同じように
 いつもの仲間達と
 笑っているだろうか
 それとも
 君を覆う不条理に
 今日もまた
 怒っているだろうか

 楽しいことばかりでは
 無かった筈なのに

 思い出す君の顔は
 なんて無邪気な
 笑顔なのだろう

 さようなら
 愛しい君よ

 君と共に歩めた日々を
 この胸に抱き締めて
 最期に君の
 幸せを願いながら……
 私は静かに
 瞳を閉じよう

 いつか時が
 私を過去にし
 いつか時が
 私を消し去っても

 私は想う

 愛しい君よ
 どうか幸せに……。

 愛しい君よ
 どうかいつまでも、
 幸せに……。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫