《MUMEI》

ずっと一緒にいた。

友達…、一番のダチだった。

「彼女ほしーなあ」って、言い合ってたくせに。


なんだよお前…
……………………うそつき


あのあとから、夜、春から電話がちょくちょくかけられた。

出ないでいたら、
《聞いてほしいことがある》ってメールがくる。

でも 返していない。


そんな俺に 春は毎朝「おはよ」と声をかけてくる。
気まずいから、短い返事しか出来ない俺。

それでも、返事をすると嬉しそうに微笑む春。

電話やメールを無視したことには、一切何も言ってはこない。


ずっと無視をしたせいか、今はもう、電話もメールも来なくなった。


無視をしたくせに、来なくなったことに少しだけ苛立った。

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫