《MUMEI》

「…もしもし」

『…二木?俺…』


久しぶりに聞く春の声。
なんか、元気ない…


「何?」

『あ、ごめん、いきなり…』

「別にいいけど…」

『なんか、久しぶり、だね…』

「…」

『あのさ、二木には関係ないことだけど、一応話しておこうと思って…』

「…なに」

『あの…お、俺さ、』


「おー、なんだよおまえらも来てたんかー!」

クラスの奴らがぞろぞろ入ってきた。


「なんだー二木、誰と電話してんだ〜??」

ニヤニヤ近づいてくるクラスメイト。


「わり、あとでいいか?」
『あ、ううん、いいや、大したことじゃないから…』
「…そ。じゃ切るから」

『…ばいばい』

ピッ




それ以来 春は俺に近づかなくなった。

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