《MUMEI》

初夏の朝は早い。
4:00を過ぎ、窓の外はほんのり明るくなってきたようだった。
とっくに寝床には入り込んだけれど一向に眠気は襲ってこない。

だから天井をひたすら見つめる。


「今日も何もなかったな」


思わず溜め息混じりで出た言葉。
独りの部屋に虚しく響いた。

高校に入って早くも三年目に差し掛かっていた。
中学の頃に陸上部に所属していた俺は走ることが好きで、
短距離走で表彰された事があるくらいあの頃は部活動に熱中していた。

もちろん高校入学後すぐに陸上部に入部し、同じように取り組んだが半年後、俺は交通事故に遭い、約一年間走ることが出来なくなったのだ。


怪我は治ったものの一年のブランクが響き、どんなに頑張っても前のようにはいかなかった。
それからというもの何も上手くいかず、諦め癖がつくようになり、陸上も辞め、俺の生活には徐々に刺激が無くなっていった。

そう、あの事故が
つまらない人生への始まりだったんだ。

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