《MUMEI》
厚化粧
春とは言え、暑い。


体育館の中を、履き慣れたバッシュで駆けずり回る俺の額には汗、汗、汗。


体中汗だくになりながらのフットワークは精神的に参るんだよ…


何の為にいるのか分からない女子マネ達の『ファイトー!』って声に、余計に苛立ちを増す俺。


「…るせぇ…。」

「え?」


しまった!つい声に…


「ううん、何でもないよ?」


部活になれば、マネージャーが例え先輩であっても選手の方が立場は上。

それは、この部だけの決まり事みたいなモノらしくて…

だから俺はタメ口。


ニッコリ微笑んで言ってやると、キャーキャー騒ぎ立てる厚化粧。



コイツら男目当てじゃん…





分かってた事を再確認し、笑顔を真顔に戻すとまた練習に気持ちを戻した。






.

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫