《MUMEI》
一斉に向く視線
「……仲直りし過ぎじゃないの?」
乙矢が電気が着いたと同時に部屋に入って来た。




「違うから!」
七生から急いで離れた。
朗読の途中で二人で重なるように寝ていたらしい。七生はまだ寝息をたてている。


「問いただすつもりもないし。」
乙矢がいつになく無関心だ。け、軽蔑?軽蔑なのか?

「違うんだってば……」
……誤解です!


「東屋がブチ切れてた。」
あ、忘れてた。乙矢は高遠と俺の代理でフロントまで閉じ込められてる東屋の助けを呼んでくれたんだっけ。停電中、洗面所に一人で閉じ込められてるなんて不幸としか言いようがない。


「乙矢ありがとう!じゃあ、叱られに行くかな……」
飲み物が温くなってて、ちょっとブルー。

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