《MUMEI》

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観客席。



………………………………














ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



「…5点差。」



スコアを見つめる美紀が呟く。



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



「これはでかい。」



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



「秀皇としては何としても止めたい場面だったからな。」



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



「千秋が機能してるのもおっきいけど、


スピード負けしてる中で良く両サイドも走ってる。


多少つまずいたけどようやくクロの思ってた展開になって来たんでね〜の?」



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



「だな。


流れがこっちにある内に一気に勝負を決めたいとこだけど…


前半あと5分ちょい…


詰めれるかと言われると微妙な時間だ。」



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



「ふむ…油断はできね〜と…」



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!














………………………………














コート。



「榊ッ!!」



「…わかってます。」



(わかってる?…何を?)



チームメイトの声は榊には聞こえない。


今は他人の言葉を聞いているような精神状態にはなく、


頭の整理でいっぱいいっぱい。



(落ち着け…
落ち着け落ち着け…)



榊は必死に答えを探した。



(…腹は立つが認めろ。


あのチビは今まで俺に付いて来た誰よりも上手い。


マジでこんなこと絶対口には出せねぇけど…


あいつを抜く算段が俺にはねぇ…


テクで抜く技術はなく、


強引に行けばチャージ…


じゃあ…どうすんだ…?)

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