《MUMEI》
優しさ
   〜翔視点〜


メールを見ると

[ペアが香奈で良かったな。

これから別行動な。

頑張れよ!]と書かれていた。

優斗の優しさは

少し分かりにくい。

でも俺は

そんな優斗の優しさが

好きだ♪

今も頼んでもないのに

俺と香奈を2人きりにさせてくれた。

本当に優斗はいい奴だ。

顔もいいし、背も俺より高い。

そして頭までいい。

俺の友達には

少し勿体ない気さえする。

っと考えていると

香奈が「誰からだったの?」っと尋ねる。

「優斗から♪」っと俺は答えた。

「優斗から?どうかしたの?」っと心配そうに香奈が聞く。

俺はとっさに

「えっ!?あぁ・・・

優斗、実は高所恐怖症なんだって!

だから
他のところに行ってくるから

香奈に謝っといてって。」と嘘をついた。

そして[せっかく優斗がくれたチャンス

無駄にしないように

頑張るぞ♪]っと意気込んだ。

「そっか・・・。」と寂しそうに香奈が言った。

俺は、一瞬固まった。

もしかして香奈は

優斗のことが

・・・・・好きなのか?

俺は、無理やりテンションを上げ

「えっ!?香奈もしかして優斗のこと好きなの??」っと聞いた。

香奈は「えっ!?そんなんぢゃないよ♪」と否定したが

頬は少しピンク色になっていた。

俺は胸が張り裂けそうだった。

[どうして

よりによって

香奈の好きな奴が

俺の親友なんだろう・・・

相手が優斗だったら

勝てるわけないじゃん・・・]

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