《MUMEI》 ……………………………… 秀皇ベンチ。 ……………………………… ……………………………… ドカッ…!! 「はぁ…はぁ…」 ベンチに座る市原。 常に速攻のカバーと戻りに全力。 秀皇の中でも特に疲労が蓄積されていたのは市原と、 速攻の主軸となる要たちだった。 その様子を察してドリンクを渡すマネージャー。 「おい。」 だが、 その市原に対し主将上野は厳しい言葉を浴びせる。 「誰が座れっつった。」 「はぁ…はぁ…」 (お前は走ってね〜から元気なんだよ…) 市原は一瞬不満そうな表情を見せ、 無言で立ち上がる。 「お願いします。」 監督を中心として円になる秀皇。 「…はっきり言って、」 選手全員が耳を傾け、 話を始める秀皇監督。 「この展開は簡単に予想できた。」 「…あ?」 聞き捨てならない言葉だった。 「お前らの余裕。 そこには明らかな油断が見えてた。 仮に俺が向こう(赤高)の指導者だったとしても、 やっぱり同じようにそこを付いたな。」 「…」 だったら先に言え。 と、 非難の感情が選手たちの頭に過るが、 それを指摘されたとして、 試合前には聞く耳を持たなかったであろう自分たちの姿が容易に想像できてしまった。 悔しいが、 前半の展開の悪さはまさに自分たちにあることを選手たちは認めざるを得なかった。 前へ |次へ |
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