《MUMEI》

………………………………



    赤高ベンチ。




………………………………



………………………………



前半の出来、
後半の立ち回りへの期待。



観客たちの注目を集める赤高のミーティングが始まっていた。



「4点差…ね。」



スコアブックを見ながら呟くクロ。



ごくっ…



選手たちは息を飲み次の言葉を待った。



「ま…合格かな。」



その言葉を聞き選手たちに安堵の表情が表れる。



「言っとくけど実力じゃないかんね?」



「ゔ…」



「勘違いすんなよ?」



すぐに撃沈するが。



「時間が限られてるから後半の立ち回りを先に説明するよ。
時間があるようなら気になったとこ言うから。おけ?」



「はいッ!!!!!!!」



「ん…」



クロは選手たちに座るよう指示し、


自分もその場に腰を降ろす。



「後半最大の課題はキーパーの攻略から始まる。」



(…キーパー?)



「試合前にも言ったけど、
秀皇のキーパーは情報を元に止めてくる。」



「あ…なるほど…」



「当然、前半より後半のがキツくなんのが予想される。」



「…」



序盤の説明の時点で、


既に選手たちは頭を悩ませる。


それはクロの説明が理解できないからではなく、


言葉でいう



『キーパーの攻略』



というシンプルなテーマに対し、


具体的な攻略案がないからである。



「そこで…」



だがクロには、
しっかりとその算段があった。



「後半は沖に入ってもらう。」



「え…」



「きたぁぁぁぁぁッ!!!!!」



「え〜.....」



「え〜って何だよッ!!!!!」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫