|
《MUMEI》 ままたおかしな声がする。 悪魔の次は天使か。 存在を信じてるわけでもないが ふいにそんなことを思った。 「お邪魔するわねー」 閉めきっていたはずの窓が開き カーテンをなびかせる。 窓から声の主であろう女が部屋に侵入してきたのだ。 「ああ、幽霊か…」 「失礼ね、私は幽霊でも幻覚でもないわよ!…って何寝直そうとしてんのよ!!」 女は足で床を鳴らしてみせた。 確かに足はしっかりついているようだ。 勝手に他人の住居に侵入するなんて常識はずれも良いところだ。 普通ならあり得ない、警察沙汰になってもおかしくはない犯罪だろう。 だけど不思議と俺は落ち着いていた。 怖くもないし、驚きもない。 「私は日本特殊機関鴉隊所属、隊長の林檎(リンゴ)よ。よろしく」 そっと俺の前に手がのばされる。 が、それを受け入れる事はなかった。 人と仲良くする余裕なんてなかったんだと思う。 林檎 と名乗った彼女は、諦めたように小さなため息と共に手を下げた。 前へ |次へ |
|
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |