《MUMEI》
私の言葉
私の言葉が
あなたに届きますか?
もしも届かないのなら
私の言葉を
もう読まないで下さい

私の言葉を
あなたに伝えるために
私はかつて
使ったこともないような
沢山の言葉を探しています
私の言いたいことが
私の思っていることが
私の信じていることが
私の言葉が
もしも正確に
適切に
あなたに届いたのなら
悲しいほどに紅のあなたを
私に下さい

私の言葉が
あなたに届きますか
もしも届かないのなら
私の言葉を
もう探らないで下さい

私とあなたを繋ぐ
たった一つの絆を
あなたの手で
切り捨てて下さい

あなたが
かつて子供だった頃に
両親から
教わった言葉ではなく
教育者から
教わった言葉ではなく

私が
かつて子供だった頃に
両親から
教わった言葉ではなく
教育者から
教わった言葉ではなく

私が私のなかで
綴り続けてきた言葉は
私の体験と 焦燥を
何よりも真実に語るのです
もしも
あなたに届かないのなら
どうぞ
忘れてしまって下さい

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫