《MUMEI》

私は仕方なく電話に出た。


もし私がこの電話に出ていなかったら…

もし私が強い意思を持っていたら…

もし私がナオに出会っていなかったら…

今の私はもっと違う明るい未来を歩いていたのかな?


これはきっと私の残酷な未来の始まりの合図。


『もしもし。』

「俺昼間会ったナオだよ。覚えてる?」

『はい。』

「つか、俺ら付き合っちゃうべ!?」

『考えときます。』

「え〜!!俺超ショック!!」


そんな他愛ない会話をしていて2時間。


『あの〜私お風呂入りたいんですけど。』

「分かった〜。出たらメールして!!くれなかったら泣いちゃうし。」

『アハハッ。じゃあまた後で。』

「はいよ〜。」

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