《MUMEI》

 「お風呂、気持ち良かった。ありがと、歩」
風呂上がり
水気もすっかり引き、大人な姿に変わっていたハル
桜井の髪を乾かしてやりながら、嬉しそうな楽しそうな笑みを浮かべていた
「……ね、ハル?」
「何?歩」
「……私の上、乾かしてて楽しい?」
何故か桜井の髪を乾かさせてほしい、とのハルへ
大人なその姿に照れてしまう桜井だったが断るのも何となく罪悪感で
恥ずかしさを何とか堪え、そして今に至る
「歩の髪、長くてすごくきれい」
「そ、かな」
「そうだよ。ほら出来た」
見て、とハルは鏡を桜井へ
渡されたソレを覗きこんでみれば
可愛らしく結いあげられた髪に驚いてしまう
「ハルって、器用なんだ」
乾かしていた最中ではなかったという事をすっかり忘れ
桜井ははしゃぐ事を始める
「……歩、喜んでくれた。僕、嬉しい」
「え?」
「歩、ずっと驚いた様な顔ばっかりだったから。だから、笑ってくれて、嬉しい」
桜井の様子を常に気に掛けていた様で
嬉しい、と改めて笑うハル
満面のその笑顔にはどうしても敵わず
桜井もまた、笑い顔をハルへと向けて見せたのだった……

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