《MUMEI》 友情の4日目朝テキトーに作ってもらった飯を食って大学に行く。昨日のエビチリの残りをアレンジした創作丼だったが、かなりうまかった。 3月上旬の暖かさが大学のキャンパスを柔らかく照らしている。 まだ講義まで時間があるな。売店で缶コーヒーとガムを買い、ベンチに座る。 太陽が出ていれば3月のはじめでもかなり暖かい。 今日で同居生活も4日目だが、案外うまくやれている。アイツの体調が一番心配だったが、割合元気そうだ。無理しているだけかもしれないが、それにしても余命1ヶ月とは思えない元気さだ。 俺はアイツの病気を詳しくは知らない。治らない病気であることは知っている。1週間に1度病院に行っているのも知ってるし、何度か病院に付き添ったこともある。だが何度聞いても詳しく教えてくれないのだ。気遣いはうれしいが、そこまで頼られてないらしいことには正直寂しい気持ちになる。 余命1ヶ月。 どのくらい正確な数字なのだろう。1ヶ月後には本当にアイツはここにいないんだろうか。 何だか信じられない。 だって、当人はあんなにも元気なのだ。 どうかこのまま何事もなかったかのように月日が流れればいい。 1ヶ月経っても、2ヶ月経っても、1年経ってもアイツが側にいるなんてことはないんだろうか。 本当にアイツは死んでしまうんだろうか。 前へ |次へ |
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