《MUMEI》
アリガトウ
どうぞ、
悲しむのはやめて下さい。

貴方が悪い訳ではなく、
私が悪い訳でもなく、
強いて言うのなら、
それが生きている証。

痛みの無い人生など、
過ちの無い人生など、
この世界には、
存在しないのです。


どうぞ、
強がるのはやめて下さい。

誰を恨むのでもなく、
誰を憎むのでもなく、
それが生きている証。

けれど貴方が、
辛いと言うなら
私が貴方に応えましょう。

産まれて来てくれて、
ありがとう。
生きて来てくれて、
ありがとう。

何かと比べる、
生命ではなく。
誰かと比べる、
生き方ではなく。

傷付きながら泣きながら、
それでも精一杯、
生きてきた貴方を。
私は称えます。

おこがしくて、
ごめんなさい。
偉そうに見えたら、
ごめんなさい。

けれど私は嬉しいのです。
貴方が歯を悔いしばって、
今日まで、
生きて来てくれた事が、

貴方が未来を夢見て、
今日から、
生きていくことが。

私には何よりも何よりも。
嬉しくて仕方ないのです。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫