《MUMEI》
第0箱「上手く生きたい」
 
 
 
「で、何で《私》は最初からこの世界にいることになってるんでしょうか?」


気付くと《私》は家にいた。元の世界と同じ《私》のアパートの一室である。しかし調べてみると、色々元とは違うことがあったのである。

 纏めるとこうだ、元の《私》とは違う過酷な過酷な過去だった。

・母親は《私》が産まれて1週間後に死亡
・父親は不明
・施設にて15歳まで過ごす
・今年の春からこの家で1人暮らし
・友達はいないらしい
・箱庭学園入学


「色々と辻褄を合わせているんですねぇ……」


 思わずひとりごちてしまうほど、《私》は感心してしまった。ここまで全く違う“自分”になるとは思っていなかったからだ。

 更に『両親がいた』という事実しか《私》の記憶には無く、どんな人間だったかは思い出せなくなっていた。

 友達がいないらしいと言うのは携帯を見たのだ、業者と施設の方の番号しか無かったのである。


「すっかり《私》はこの世界の住人……と言うワケですか、あいつはいったい何者だったのでしょう……?」


元の世界の記憶は両親のことのように全てが靄がかかっていて思い出せない。


 唯一思い出せることは

 【めだかボックス】のこと


「安心院さんなんでしょうか? 《私》を連れて来たのは……」


 安心院さんなら一京のスキルの持ち主なのだから、あのようなことも出来るだろう。しかし安心院さんっぽく無かったような気がする……。
 ひとまず分からないモノは分からない、携帯のスケジュールには『箱庭学園に顔を出す』と書いてある。


「とりあえず行きますか。サイコロでも投げれば良いんですかね……?」










【箱庭学園】


「ようこそ、箱庭学園へ」

前へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫