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《MUMEI》 ｢2･3番チェックｯ!!｣ 赤高ベンチから飛び交う声。 速攻に走る両サイドを追う関谷と日高だが、 やはり純粋なスピードは要兄弟の方が上手。 スタートで勝る関谷が左サイド(要義人)にパスを出せない位置まで追い詰めるも、 日高は右サイド(要大地)をそこまで追い詰めることができず、 ｢ナイスパスｯ!!｣ 結果、 速攻のパスが通る。 ｢ちっ…｣ (またフリーかよ…) 身構える村木。 関谷がパスを出せない位置まで追い詰めた左サイドも、 右サイドにパスが通ってしまえばフリーとはそう変わらない状況にまで変化する。 実際、 どちらかのサイドが走り負けた時点で、 赤高に速攻を防ぐ術はなかった。 とはいえ… (どうする…？) シューターに迷いがないわけでもない。 村木の存在があるからだ。 村木は前半の段階で既に速攻を止めている。 ただ打つだけでは脳がない。 (じゃあ…どうする…？) そう。 真っ向勝負ではいくら速攻でも確実性に欠ける。 理由は相手が村木。 それだけで十分。 (しょうがねぇ…) ヒュｯ…!! (合わせろよ…) ｢ん…｣ 村木の思考回路が変わる。 速攻のパスを受け取った右サイドは、 (大地にしちゃ…) シュートモーションから背面パス。 (上出来じゃん｡) 要義人。 双子の弟のシュートにかけた。 前へ |次へ |
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