《MUMEI》 (兄さん…元気かな) 「こりぇはるかなたんがしゅきなお菓子だよぉ♪」 「はるかとかなたはここに居ないだろ」 「だかりゃおりぇが代わりに食べてあげりゅの〜♪」 克哉さんは車のトランクの中でお菓子を持ってキャッキャとはしゃいでいたくるみちゃんを軽々と抱きかかえると、バタンとトランクを閉めた。 「くるみちゃんはお兄ちゃんが好きなお菓子知ってるんだね」 「知ってるよぉ〜しゅきな色も知ってゆんだもん♪」 くるみちゃんを後部座席のチャイルドシートに座らせながら、色々とお話をする。 「へぇ〜好きな色も知ってるんだ」 「うん、はるちゃんが明るいオリーブでねぇ、かなちゃんがピンクなんらよ〜」 (そういえば、兄さんの好きな色って何色だろう…僕は兄さんの事、何も知らないや…) 「くるみちゃんの好きな色は?」 「あのねぇ…うんとねぇ……チョコレート!」 くるみちゃんはそう言うと僕の髪をクシャクシャと触ってきて、その髪を口に入れようとしていた。 「あっまた、ダメだよっ!あーあ…しばらく染めて無いからビターっぽくなっちゃったかなぁ」 結局くるみちゃんの口の中に入ってしまってヨダレ付きになってしまった横の髪を見て、その何でも食べてしまう口にダメだよと人差し指でフニフニと触れた。 「お口に入れるのは食べ物だけだよ」 「うひゅ〜♪」 「私はビターチョコも好きだな」 「ひゃっ///」 いきなり頭のてっぺんに何か柔らかいものが触れてきて驚いていると、今度は唇の方にキスをしてきた。 「くるみにばかりキスして…いいかげん私にもキスしてくれないか?」 「今のはキスしてませんって、ちょっと…っ///」 「うきゃきゃっ///」 克哉さんにキスされて慌てている姿を見て、くるみちゃんはシートの中でバタバタしながら大喜びしていた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |