《MUMEI》

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関谷入部から数週間。


ハンド部はこれといって進歩がないまま、


少人数での練習を重ねた。


人数もまだ足りておらず、


練習試合すらすることができない状況に、


部員たちのモチベーションも下がりつつあった。


数ヶ月前までの目標は、


今では口に出すのも恥ずかしいような物となり、


日に日に目標は小さくなる一方だった。


いつまでこんな状況が続くのだろうかと…


不安に駆られる彼らの現状が前進したのは、


1人の天才の出現によってだった。



………………………………














    バシッ…





「なっ…」



「えっ…?」



トンッ…コロコロ…



「…やっぱな。」



「?」



「やっぱセンスあるよお前。」



(…何言ってんだこいつ。)














………………………………



不思議な物で、


どんなスポーツのどんなチームにも、


1人はずば抜けた才能を持った者が集まる物だ。


このチームがそれを手にしたのは、


村木 守 という、


後に絶対的な守護神となる男だった。



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