《MUMEI》 「ビーッ!!」 試合終了を告げるブザーが鳴った。 「おっしゃいッ!!」 パチンッ!! この日も海南クラブは白星。 来月にまだ試合を残しながらも、 二部昇格はほぼ確定的であった。 「お疲れ。」 「お疲れ〜っす。」 「今日打ち上げあっけどどうする?」 「あ、俺行きます。」 「僕金ないんすけど奢りなら。」 「またかよてめぇ。 たまには持ってろよ。」 「なははははは。」 海南クラブは着替えを終え、 会場を後にしようとしていた。 「すみませんサイン貰えますか?」 突如聞こえる声に振り返るクロ。 「あ…」 「ぶぁかが。 お前のサイン何か誰が欲しがるか。」 振り返った先にいたのは、 ヤマトと翔太。 「くぅぉらッ!!」 「いやその…これにはわけが…」 「誰が聞くかッ!!」 問答無用のヤマトに対し、 ただひたすらにやられるクロ。 「やれやれ…」 思わず口に出す翔太。 前へ |次へ |
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