《MUMEI》

「ずびばぜんでした…」



ボコボコにされたクロ。



「どうしたクロ?ケンカなら加勢するぞ?」



「もう終わっちゃいましたよッ!!」



「なはははははッ!!」



「ちくしょ〜。」



ボコボコのクロを見て笑う海南クラブの選手たち。


その中に、



(き…)



目を輝かせる1人の男。



(北村大和ッ!!)



水川恭介。


クロを海南クラブに誘ったその男だった。



「つまりお前は…俺に黙って半年も前からハンドをやってたわけだ。」



「いや…正確には5ヶ月…」



「大して変わんね〜だろッ!!」



「おっしゃる通りです…」



「ったくお前はよぉ…」



「じゃ…俺行きますわ。」



会話を遮り、
2人に挨拶をする翔太。



「あ?帰んの?」



「はい。久々お二人に会えたし、クロさんがハンド続けてるってわかっただけで十分です。」



「そか…気ぃつけてな。」



「うっす。」



「翔太。」



「はい?」



「ホントあの…ごめんな…」



クロの言葉に、
翔太はふと笑った。



「また。」



「うん。」

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