《MUMEI》

真っ暗闇の中、気付けば彼は一人で立っていた。

「あれ? 飛び降りたつもりだったんだが…」

辺りを見回すが、黒以外は何もない。

あまりにも黒すぎて、恐怖してしまうくらいだ。

「ああ、地獄まで墜ちたのか。それなら納得だなー」

そう言って、笑った。

しばらくして深いため息を吐き、うなだれる。

「あーあー、死んじまったか…」

今度は嘲笑するかのように鼻で笑う。

「コレが、現実じゃなけりゃいいのにな」

呟いて、目を閉じた。

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