《MUMEI》 「―海の月?」 美紗子が聞き返す。 「―ええ。母が付けたの。海に映る月の影が好きだったんだって。」 「へえー。」 「ステキな名前だね♪」 愛がニコリと笑うと少女も嬉しそうに笑った。 「年は?―」 今度は純が訊ねる―。 「17。ごめんなさい、年下なのにタメ聞いて。」 少女――海月が小さく謝ると、 「いいって。そんな気ぃ遣うなよ。」 「そうだよ。気にしないで。」 猛と愛がそう言うと― 「ありがとう。―えっと、タケ…ちゃん…と、愛…ちゃん―。」 海月は照れくさそうに笑った。 前へ |次へ |
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