《MUMEI》 村木はユキヒロの顔を見ることなく鞄の中の教科書を机に入れる。 「お前ジャイって知ってる?」 「…あの無駄に騒がしい奴だろ。」 「そうそう。色んな部活転々としてる奴でどの部でも厄介者扱いされてた奴なんだけどさ。」 「…」 教科書をしまい終わった村木は机に突っ伏す。 「あいつが今度ウチに入りたいとか言ってきて…」 それでも構わず話続けるユキヒロ。 「今日から練習来るんだと。」 「…」 「以上。終わり。」 「…」 「特に言うことは?」 「ない。」 「…りょ、了解で〜す。」 結局、 村木のめんどくさいオーラに負けるユキヒロ。 新入部員が入ったという今のハンド部にとってはビッグニュースも、 村木にはほとんど関心がなかった。 その日の部活前には村木以外の部員たちにもその知らせは伝わるが、 何と言っても口だけ夫の異名を持つ男。 素直にその男の入部を喜ぶ者はいなかった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |