《MUMEI》

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決して有望とは言えない新人が無事(?)入部し、


この日、


ようやく赤高ハンド部には7人の選手が揃った。


半数以上が素人のこのチームでは、


ろくな練習も出来なかったが、


自分たちなりにハンドボールを覚えようと部員たちは努力を重ねた。


すぐに辞めることが予想された沖も、


スタートラインがそう変わらない部員たちとの練習の中で競争心を覚え、


投げ出そうとはしなかった。


ようやく居場所を見つけた。


そう思っていたのは沖だけではなく、


部員たち全員がこの環境を喜んでいた。


それぞれ何かしらの傷を負った者たちが、


見つけることができた居場所。


そんな居場所を…


未だ見つけることが出来ない1人の男が、


ようやく深く物語に関わり始めたのは、


この約一月後のことである。



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