《MUMEI》
夏休みの始まり…
「はぁ…終わったぁ……」
期末も終わり、終業式、夏休みに入るからか部活にはいつもより人が少ない気がする。
「人が来ないせいで部活早く終わったな」
部活仲間が言う。
「あぁ」
自分としては早めに終わる方がいいんだけどな…
「しっかし、今日はよく晴れてるなぁ、汗パネェわ」
部活仲間が言った。
なぜか俺はその言葉に返答できなかった。自分の中に違和感を感じる…。
それが何なのか自分でも分からない、だが何かいつもと違うことが起きそうな起きなさそうな……。

一緒に帰った部活仲間たちとも駅で別れ、一人で帰宅していた。
部活も早めに切り上がったので久しぶりにメイトでも行こうと思い、俺は無意識でメイトに向かって歩いていたはず…だった……。

「此処どこだ…」
思わず口にでるほどの驚愕だった。周りにまったく人工物の無い森の中に自分が居たからだ。
なぜ気づいた時に戻らなかったのだろう?自分の足はまるで導かれるように奥へ奥へと進んでいた…。

やがて建物が見えてきた。
古びた鳥居に古びた建物、神社らしい。しかし、人の気配がない。
普通、誰か居るもんじゃないか?

そしてなぜか俺は鳥居をくぐった……

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