《MUMEI》

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ホントは…迷ってたんだ。



『お前も一緒に…』



嬉しかった。


そう。


ホントは嬉しかった。


ハンドボールなんて、


やったこともないスポーツ誘われて、


そりゃ戸惑ったけど、


俺なんかを誘ってくれたこと。


ホントはすげ〜嬉しかった。


だけどさ、


そこで素直に『うん』って言うのが何か恥ずかしくて、


自分の気持ちから逃げた。


つまんない意地とか思わなかった。


嬉しいって感じたのも後から。


出来る分けないって気持ちを優先させて、


恥ずかしいって気持ちを優先させて、


ただカッコつけて逃げただけ。


夜寝る前に何回も思い出して…


もしやってたらどうなったのかなって…


有り得もしないのに活躍する姿想像しちゃって…


時間経って…


ようやく気付いた。


俺…ホントはやってみたかったんだって。


だけど気付いた時はもう遅くて…


初めに誘われた時にやるって言うより、


後からやりたいって言うことの方が何百倍も難しいことなんだって同時に気付いた。


俺…今ダメだ。



今?



いや…いつまでダメなんだろ…?



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