《MUMEI》

キャハハハッ!!



「じゃあね〜。」



「明日CD忘れないでよ〜。」



各々放課後の時間をそれぞれのタイミングで終え、


下校する生徒たち。


日高の姿もそこにあった。



(な〜んであいつ今更ハンドなんてやろうと思ったんだろ…?)



やる気はない。


そう断った日高だが、
頭からはそのことが離れない。



「はぁ…はぁ…」



(ん…)



日高の視界に息を切らしながら走る男子生徒が入る。



(…置いてかれた感じかな。


どこにでもいるんだよな。


ああいう落ちこぼれ。)



「はぁ…はぁ…」



「おっせ〜ぞ千秋ッ!!」



「あ…」



ダッ…



急に走りだす日高。



息を切らしていた生徒の後ろから現れた数人の部員たち。


その中にいる関谷を見つけたからだ。



「ん?」



(日高…?)



関谷は走り去る後ろ姿で誰かを気付いた。



(つか…何で逃げてんだ俺…)



無意識だった。


ついこの間まで同じ立場だった関谷が、


ずいぶんと遠くの存在に感じた。



(…俺今すげぇカッコわりぃ。)

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫