《MUMEI》

声の主は私達と同じ飲み会サークルに所属する1年先輩の上沢さんだった。
すぐ後ろには同じく一年先輩のトシヤ先輩もいた。


「やっと見つけた!
ここに居なかったらどうしようかと思ったよ。なぁトシ」
上沢先輩は見た目通り…って言ったら悪いけどチャラい。
イケメンなんだけど…
サークル内でも有名な遊び人だ。
お酒を楽しむ為に入ったのにこの人のおかげで合コンみたいな雰囲気になるのはしばしば。
次期部長を狙っているらしいから合コンサークルになったら女子メンバーは抜ける予定。


「……別に。俺は探してない」


徳田先輩は少し陰がある感じ。
クールといえば聞こえはいいけど、人とのコミュニケーションが苦手なだけなんじゃないかと私はにらんでいる。
なんでこのサークルに入ったのかは謎だけどね。
暗い性格が似合わない程のイケメンがもったいないくらいだ。
密かにホノカの想い人だったりする。


「どうしたんですか先輩?
今週飲み会の予定ありましたっけ?」


「それがさぁ…トシがどうしても飲みに行きたいってきかねぇんだよ。
他のコは急すぎて無理だっつうし、頼れるのノリコちゃんとホノカちゃんしかいないんだ。頼むよ〜」


はい嘘。

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