《MUMEI》

     部室



「俺くつ下。」



「…は?」



突然わけのわからない発言をする沖。



「いや、お前ら今洗濯授業の話してたじゃん。俺くつ下。」



「その発想バカすぎるだろ…」



入部から1週間。


新入部員とは思えない程沖は馴染んでいた。



「何の話?」



話題に付いていけていない椎名が千秋に尋ねる。



「何か先輩たち来週から選択授業始まるとかなんとか。」



「へぇ…どんなんがあるんすか?」



峰田へ尋ねる椎名。



「俺くつ下。」



的外れな解答を続ける沖。



「調理と書道。音楽と美術と技術。」



「あ、何か楽しそうすね。」



「ん。授業じゃなきゃな。」



「峰田さんは何やんすか?」



「俺技術。そっち系で就職したいし。」



「へぇ…ユキヒロさんは?」



「俺?美術だよ。」



「へ…へぇ…」



(似合わね〜な…)



「俺も美術だよ。」



「お前くつ下じゃね〜のかよ。」



「いや、洗濯授業ってそれのことだったのね。


何のことかわかんなかったからさぁ。


思い出した。
俺美術にしてたはず。


元美術部だし。」



(吹奏楽と書道にも入部してただろ…)



「関谷さんは?」



「音楽。」



「お、ちょっとイメージあるかも。」



「何目線だおめぇは。」



「ちなみに村木さんは?」



「…美術。」



「おぉこれまた意外…」



「美術人気なんだよ。」



「何でですか?」



「単位が超楽勝で取れるらしい。」



「あ〜...なるほど...」



(俺も来年美術選ぼ…)

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