《MUMEI》 9月 1年の約半分が過ぎ、 暑さを増していた夏が終わりを迎える。 まだ少し暑さの残るこの時期。 学校生活も折り返し。 少しずつ風の匂いが変わり、 また新たな季節がやってこようとしていた。 ……………………………… 「木村守。」 「…」 「いないの〜?」 「先生、木村じゃなく村木。」 「え、あぁごめんごめん!!」 「ふぅ…」 「村木守。」 「…はい。」 「よしっ…と、これで全員ね。」 美術室 授業の約半数を消費した彼らを待っていたのは、 新しい授業。 その1つの中にあった選択授業。 ハンド部からはユキヒロ・村木・沖の3人の姿がこの授業に参加していた。 それに加え… (…美術選んだの正解。 美術室クーラーちょうどいいわ。) 日高の姿もここにあった。 「ラッキーだったわねあんたら。」 「?」 「美術は人気だから別のとこ行ってもらった子もいたのよ。」 「へぇ。」 ボソッ… 「つか先生ちゃらくね?」 「まぁそこは置いとけ。」 「好みのタイプだ…」 「黙れ沖。」 前へ |次へ |
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