《MUMEI》 時は過ぎ、10月。 夏はもう思い出となり、 少し肌寒い風が吹く季節。 まだ足りない部分があることに気付かぬまま、 それでもある程度の形を保つことができている彼らに、 新たな風が吹く。 風に吹かれ訪れるのは、 新たな季節と… 新たな仲間… ……………………………… 2-D 教室 「お…お久しぶりです…」 「ん…何緊張してんだお前?」 この日、 ハンド部にとっては久々の部集会が開かれていた。 緊張する様子でユキヒロが話し掛けていたのは、 夏の大会を最後に引退した3年生。 「いや…その…」 「別に俺たち怒ってね〜から。」 「え…?」 「事情は知ってるし、 今は今で楽しくやってんだろ?」 「…はい。」 「なら謝んなくていんだよ。」 「あ…あざっす!!」 椎名・千秋の1年2人。 ユキヒロ・峰田・村木・関谷・沖の2年が5人。 引退した3年が4人。 計11人の生徒たちと、 顧問の西野、 マネージャーの佑香の姿が教室内にあった。 「あの…先輩?」 「ん?」 「今日…翔太さんは…?」 「あぁ、翔太は来ね〜よ。」 「え?」 「あいつはまぁちょっと…特別だから。」 「そう…ですか…」 前へ |次へ |
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