《MUMEI》

………………………………



ビュ〜ッ!!!



「へっ…くしッ!!」



(さみぃ〜...)



冷たい風が吹く。


引退した3年生も参加していた部集会をばっくれ、


1人帰路につく翔太。



(よくあいつら平気で顔出せんな……俺なんかよりよっぽど大人だわ。)



「きゃははははッ!!」



「待ってよ〜ッ!!」



「早く早く〜ッ!!」



翔太の横を通り過ぎる小学生たち。


寒さなど気にせず元気な様子であった。



「…」



その様子を見て、


思い出す翔太。



(世界中どこいってもこの色はあるけど、
この色を見る度ずっと俺は思い出すんかな?)



「……クロさん。」



(…クロさんもこんな気持ちだったんかな。


顔合わしずらいって思って俺たちとなるべく会わないようにして。


…今、俺クロさんと同じことしてる。


そうか、あの時クロさん、


こんな感じだったんか…)



………………………………

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫