《MUMEI》

………………………………



「てなわけで…」



再び2-D。



「これから500メートルのタイムを計ります。」



「来たぜ来たぜ!!俺の時代が!!」



はしゃぎだす関谷。



「何?あいつ速いの?」



「あぁ…元陸上部のエースです。」



「どわッ!!すげぇサイド入ったんだなッ!!」



「なはは…まぁ…個性派揃いです。」



10月。


赤高校内イベントの1つ。


体育祭が開かれる月。


そのラストを飾る種目は、


点数とは関係なく行われるエキシビション。


部活動対抗リレーが行われる。


各部代表5名が500メートルずつ、


計2500メートルをリレーで走るという種目だ。


赤高ハンド部は例年、


この種目の選手を500メートルの記録上位者から選出している。


本来ならこの成績上位に入るであろう翔太がこの場にいない為、


欠場は確定。


大きな戦力ダウンが予想されたが、


走るという単純な能力の上では、


赤高新入部員たちも決して引けを取らないであろう粒揃い。


特に、


元陸上部エースであった関谷の能力には期待がかかる。



「これから走んの?」



「そうっす。」



「んじゃさくっとやろうぜ。」



「ですね。
じゃあまず一旦解散で着替えてまた集合ってことで。」

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