《MUMEI》

     中庭



ぞろぞろと集まる赤高新旧ハンド部員たち。


500メートルのタイムを計る為、


ではあるが、


実際赤高の狭い中庭では500メートルを走るだけのスペースがなく、


着替えを済ませた後は、


赤高付近にある陸上用のトラックがある大きな運動公園へと移動。


体育祭の半数の競技もこの場所で行われる。


エキシビションの場所もここである。



「全員揃いましたか〜?」



マネージャーの佑香が人数を確認する。



「かわいいなあの子…」



「ね。何で俺たちが引退してから入っちゃうかな…」



女っけのなかった3年陣にその姿は非常に羨ましい物だった。



「俺美紀さんも好きだったけど。」



「だって美紀さんには旦那いたじゃん。」



「そうなんだよなぁ…」



「ハンドでもプライベートでもあの人には完敗だったな…」



「羨ましい限りだぜ。」



「あの〜...全員いるみたいなんで移動しますよ?」



「おっと…ごめんごめん。」



「了解て〜す。」

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