《MUMEI》

「あんた今何て言った?」

「へ?」

何か変なこと言ったかな?

今宵は首を小さく傾げる。

「もう!!あたしのこと、信じて親友になったんでしょ!!」

秋葉は赤い顔を隠すように、つんっとそっぽを向く。

あ、そっか・・・・・・。

『親友』になってくれたんだもんね。

「えへへ。ありがと、【秋葉】」

「分かればいいのよ」

秋葉はそっぽを向いたままボソッと答えた。

紘がその2人を見て飛びついてくる。

「え〜!!オレもオレも!!オレも親友だろ!?ね〜【秋葉】、【今宵】♪」

「何ちゃっかりと呼び捨てにしてくれちゃってんのよ!!」

「だって親友だろ〜!!照れ屋さんなんだから!!」

「うるさいっ!!」

「も〜秋葉は往生際悪い!!ね〜今宵?」

「うぇ!?」

紘にいきなり話を振られた今宵は、意味のなさない言葉を発した。

「ったく今宵も秋葉も照れ屋さんなんだから♪な、歩雪?」

「琴吹、うるさ」

い、と歩雪が言おうとする前に、紘が重ねるように騒いだ。

「あ〜!!駄目だろ歩雪〜!!」

「・・・・・・【紘】、うるさいよホントに」

「やったね♪」

紘が歩雪に飛びついている。

もう、お友達って呼んでもいいんだよね?

この人達の前でなら、『自分』を出してもいいんだよね?

今宵は俯いて小さく口元を緩めた。

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