《MUMEI》
PM9:00
僕はユミと約束した9時
まで初めて来た、この街にまるで居場所を求める様にひたすら歩き続けた。
すると僕は赤いブランコのある公園にたどり着いた。ベンチに横たわり下校中の学生や団地住まいの幼い子供達を見ながら
「懐かしいなぁ」
と煙草を吸いながら、いつのまにかベンチの上で寝てしまった。
目が覚めると、まるで特別な空間に居る様に、この静まりかえった場所を僕は
求め続けていたのだろうと孤立感に落ちていた自分に酔っていた。
しばらくして時計を見ると約束の9時を過ぎていた。
「やべぇ時間過ぎてんじゃん」
急いで約束のファミレスの駐車場まで人ごみの中を
かき分けながら無我夢中で走り続けた。
結局、着いた時は10時を過ぎていた。
僕は狭い駐車場を見渡すがユミの姿どころか人影すらなく1台の古い自転車が
ぽつんと、停めてあるだけだった。
僕は凍えた声で
「ユミっ」
と言ったが反応もなく
ただ冷たい風が吹き続けるだけだった。
しばらくすると携帯に誰かわからない番号が何度も
鳴り続けた。
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