《MUMEI》
秘密
「私、まだ遊びたいの…」
そう言って彼女は男の前から姿を消した…


‐半年後‐

「ねぇ、知ってる?森山さんって結婚するらしいよ」
…と彼女の近況が風の便りで耳に入ってきた。
「相手はまだ19歳とか…」
「へぇ〜、森山さん、やるね。6つも歳下の男と…」
男の側で仕事場のパート達が話しているのだから、イヤでも聞こえてしまうのだが、極めつけは…
「でも森山さん、なんで土用の丑の日に挙式なんだろう?」
「えっ!?知らないの?森山さん、妊娠4ヶ月目らしい」
「あぁ、それで…」
男は悔しさと哀しさが入り混じった気分で、無意識で拳を握りしめていた。
「し〜み〜ず〜、ちょっと…」
男を呼んだのは、清水より3つ歳上の坂口だ。
「おっ!?なんだい?」
「アンタ、知ってると思うけど、も…」
「解ってるよ!ただ、俺たちは半年前に終わったんだ。今更、なに言えってんだ。笑いしか出ないよ…」
坂口は何も言い返せなかった…
「ゴメン…、少し言い方が悪かった。けど、坂口さん…」
清水は坂口の顔をジッと見つめ…
「坂口さん、あの時、既に知ってたんでしょう。だから俺と…」
ジッと見つめられると坂口は嘘はつけない性格…
「悪いけど知っていた。この一週間、アンタに言うのが辛かった…」
「じゃあ俺たちは付き合えないな…」
流し目で清水は言って、坂口から立ち去った…
坂口は清水を追いかけて…
「ゴメンね、清水。でも、まだ約束は守ってるよ…」
「約束?」
「アンタたち2人は秘密の交際…」
清水は照れながら手を上げて坂口の元から立ち去った…

‐1年後‐


坂口は清水の元同僚であった直江と結婚…
直江は婿養子入りとなった…
が、それと同じ頃に森山の近況が再び清水の耳に入るとは…
「ねぇ、森山さんって離婚したらしいよ」
「えっ!?なんで?なんで?」
「ダンナの浮気とか…」
「いやいや、森山さんの夜遊びらしい」
「ええっ!?」
「別れたダンナがネを上げたらしいよ」
清水は思った…
あっちゃ〜、アイツの秘密の1つが公になったとは…

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