《MUMEI》

「よ〜い!!」



佑香はタイムを計らなければならない為、


スターターは交代で行っていた。



「スタートッ!!」



その為、
笛の使用は全員が拒否した。



ダッ…!!



スタートを切る関谷と村木。



「おっ…」



「はぇぇなあいつらッ!!」



やはりリードするのは関谷だったが、


予想以上に差は広がらない。


村木の運動能力の高さを全員が認識する。



「ご〜るッ♪」



関谷が1着。


少し遅れて村木がゴール。



「なははははッ!!
シュートは入らなくても足は速いッ!!」



「…」



ボソッ…
「それってシューターとしてどうなわけ?」



「いや、ダメだろそりゃ。」



「…ふぅ。」



気にしない村木。



チラッ…



横目で記録を確認する西野。



(…流石だな。


このスピードで尚且つサウスポー。


こいつはでかい拾いもんだぞ。)



「お前たち試合とかやってんの?」



関谷のシュート入らない発言から練習試合の様子を想像した3年がユキヒロに尋ねる。



「いやそれが…」



「できるわきゃね〜か。」



「ぐぅっ…」

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