《MUMEI》

「…どう思う?」



「…最低だな。」



「向上心ってもんがね〜のかあいつには。」



「ないんでしょ〜ね。」



「だぁ〜っはっはっは!!」



1人バカ笑いをする沖。


今の状況はこうだ。


関谷・村木の500メートル走の後、


ユキヒロ・峰田がタイムを計る。


残る2年は沖1人。


1人で走っても良かったのだが、



『競争相手がいた方がタイム伸びるからッ!!』



という理由でそれを拒む。


まだタイムを計っていないのは千秋と椎名の2人。


沖は周りのブーイングをものともせず迷わず千秋を指名。


あっさりと千秋に勝利した沖が得意気にバカ笑いをしている。


そんな状況だ。



「あの恥さらしめ…」



「で?結局5位以内に入ってんの?」



「いや…下から4番目です…」



「ダメじゃん…」

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